Hachioji影絵プロジェクトとは

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東京造形大学大学院Hachioji影絵プロジェクトは、2007年度から始まった社会連携を目指す大学院のプロジェクト授業です。このプロジェクトでは、江戸時代に興った伝統芸能「写し絵(関西では錦影絵)」を研究対象としながら、さらに光と影を使った幅広い表現として「影絵」をとらえた活動を続けています。

写し絵は、享和3年(1803年)に三笑亭都楽(のちに都屋都楽)が、上野で見た阿蘭陀エキマン鏡を自ら改良し、口上や鳴物を加えて神楽坂の茶屋で興行を始めたと言われています。その後、明治に入りさまざまな写し絵師がさかんに興行を行いますが、東京造形大学のある八王子では写し絵師の名人・玉川文蝶が登場し、その門下もあわせ明治期から昭和初期にかけて大衆娯楽、伝統芸能として盛んに実演されていました。まさに、八王子一帯は日本の中でも有数の影絵の町だったといえます。また、当時の八王子周辺では「写し絵」のことを「影絵」と称することが多く、この地域の呼称をプロジェクト名にしました。

影絵は、映像表現の歴史においてアニメのルーツとも言われます。このプロジェクトでは八王子市郷土資料館に保存されていた「風呂(写し絵で使われる幻灯機)」を採寸し、復元しました。その実績をもとに、像が写る、動くという初源的な映像(幻灯)の不思議を体感し、伝統的な手法を使いながらも現代的な解釈を取り入れたオリジナル作品を制作、上演を主体に、多数のワークショップも開催しています。さらに、影絵を映像と音楽と身体表現の総合的な劇的パフォーマンスと位置づけ、造形大学が目指す各自の専門性を大切にしながらもさまざまな専門領域の横断性、総合性を研究しつつ、地域社会との現代的なアートコミュニケーションを実践しています。

指導担当:中里和人 首藤幹夫