町田市民文学館『かむなぎうた』公演

12月5日(土)町田市民文学館「ことばらんど」にて、公演を行いました。
これは文学館企画展『日影丈吉と雑誌宝石の作家たち』のイベントの一環としての公演でした。
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『かむなぎうた』は日影丈吉のデビュー作であり、江戸川乱歩や折口信夫に絶賛された短編小説です。
小説作品に影絵をどのようにあわせていくか、授業内で話し合いを重ね、原作の持ち味をいかしながら上演用のシナリオを作成しました。
短編とはいえ、いくつかのシーンを割愛しても公演時間はこれまでにない1時間という長さ。種板や仕掛けの制作、光と影の実験と、さまざまな試みを準備して本番にのぞみました。

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音響を担当していただいたシューヘイさん。今回はシナリオ制作でもたくさんお世話になりました。ありがとうございます。

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さて、本番です。
たくさんのお客さんに来ていただき、客席は満席です。谷口学芸員から、小説作品としての『かむなぎうた』の説明をしていただき、中里先生から影絵プロジェクトの紹介があり、公演となりました。

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今回朗読をしてくださったのは、劇団大人の麦茶の池田稔さん。影絵とのリハーサルは本番当日のみでしたが、臨機応変に対応してくださいました。感謝。

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今回の本の重要なモチーフのひとつに竹蜻蛉がありました。影絵でこれをどう表現するのか、仕掛けを制作するアイデアなどいろいろ試してみた結果、実際の竹蜻蛉のシルエットで表現しました。

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物語序盤の重要なシーン。源四郎が門に登り、主人公が密かに憧れている女子生徒がそこを通るというシークエンス。この門だけでも何度描きなおしたか。女子生徒にいたっては当日まで絵の修正が必要でした。

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リハーサルでうまく動かせなかったシーンも、本番では躍動的に演じることができました。

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この写真はスクリーン裏側からの写真ですが、主人公が亡くなった母と出会う幻想シーンには、切り子細工の種板とお母さん役のシルエットが美しく重ね合いました。
記録写真がないのが残念なのですが、ラストシーンではシューヘイさんのフレームドラムのリズムを合図にスクリーンを抜けて風呂を持った演者が出てくる演出をしました。

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終演後、少しだけお客さんにワークショップ。

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池田さんを中央に記念写真!
お疲れ様でした!

朗読:池田稔
音響:シューヘイ
Hachioji影絵プロジェクト:周禹彤、ラ・ウセイ、陳哲、セン・インハン、馮馳、強斐、藤井カイリ
照明:首藤幹夫
記録写真:宮澤唯、中里和人
記録映像:潘通宇